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なぜ今、経営企画室が必要なのか? | 株式会社ソレイユ財産管理

なぜ今、経営企画室が必要なのか?

1. 人口減少による市場の縮小

全国・首都圏・地方の人口減少の現状

日本の人口は2008年の1億2,808万人をピークに減少し続けています。総務省の推計では、2023年時点で1億2,400万人を下回り、2040年には1億人を割る との予測が出ています。
この減少は全国的に起きていますが、特に地方では急速に進んでいます。

  • 全国の人口減少:2023年時点で前年比約80万人減
  • 首都圏の人口減少:東京都はまだ増加傾向が続いていますが、2025年頃を境に減少に転じると予測
  • 地方の人口減少:2045年には全国の約半数の市町村が「消滅可能性都市」に該当

消滅可能性都市とは?

「消滅可能性都市」とは、人口減少が進行し、将来的に都市として存続することが難しくなる可能性が高い地域 を指します。日本創成会議の試算によると、2045年には全国の896市町村(約半数)が消滅の危機に直面する とされています。

  • 若年層の流出が続く
  • 高齢化により労働力が減少
  • 地域経済が縮小し、企業の売上が減少

こうした地域では、市場の縮小に対応した経営戦略が不可欠 となり、新たな市場開拓や事業転換が求められます。

市場規模の縮小と影響

人口が減少すると、それに伴い消費者の数も減少し、市場規模そのものが縮小 します。これが経済に与える影響は大きく、特に以下のような問題が発生します。

内需の縮小

→ 人口減少によって消費者が減り、売上の成長が見込みづらくなる。

BtoB市場の影響

→ 企業間取引(BtoB)も、取引先の縮小により新たな市場の開拓が不可欠になる。

採用市場の縮小と外国人労働者の活用

→ 労働人口が減少し、国内の人材確保が難しくなるため、中小企業でも外国人労働者を積極的に採用せざるを得ない状況が生まれる。
→ しかし、外国人労働者を雇用するには、適切な労働環境の整備や受け入れ体制の強化が不可欠 となる。

2. デジタル化・DXの進展が中小企業にもたらす変化

これまで経営企画室は大企業のためのもの というイメージがありました。しかし、デジタル技術の進化、特にAIやDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展 によって、中小企業でも経営企画の考え方を導入しやすくなっています

ERP(Enterprise Resource Planning)の導入が進む

ERP(統合基幹業務システム)とは、企業の経営資源(財務、販売、在庫、購買、生産、人事など)を一元管理し、リアルタイムで情報を可視化するシステム です。
これまで大企業向けとされていましたが、最近ではクラウド型のERPが登場し、中小企業でも導入しやすくなっています。ERPを活用することで、KPIの可視化が容易になり、経営判断のスピードが向上 します。

KPIとは何か?

KPI(Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標」のことで、企業の目標達成度を測るための指標です。
例えば、売上高や利益率だけでなく、「新規顧客獲得数」「リピート率」「営業の成約率」など、経営において重要な要素を数値化し、進捗を管理するための指標 となります。

KPIの活用例

  • 売上関連KPI:月間売上高、粗利率、新規顧客売上比率
  • マーケティングKPI:広告のROI(投資対効果)、Webサイト訪問者数、SNSエンゲージメント率
  • 生産管理KPI:製造コスト削減率、納期遵守率、設備稼働率

ERPの活用によるKPIの可視化 ERPを導入することで、各部門のデータが一元管理され、リアルタイムでKPIを確認することが可能になります。
これにより、従来は経営者が感覚的に判断していた業績の進捗を、データに基づいて的確に判断できるようになります。

3. 競争の激化と業界の垣根の崩壊

異業種からの参入(中小企業の事例)

町工場がEC事業に進出

→ 地元の工場がオリジナル製品を開発し、ECサイトで直販を開始。

飲食店が食品加工業へ

→ レストランが自社のレシピを活かして冷凍食品を製造・販売。

工務店が不動産業へ進出

→ 建築業を手がける企業が、不動産管理やリフォーム事業に展開。

常に世の中の情勢や業界の情勢に幅広い視野から情報を収集し、異業種参入の情報や、新たに参入できそうな業種を常に模索してくれる経営企画室の存在が必要になります。

4. 組織風土の変化と社員の意識改革の必要性

人口減少社会においては、経営者も社員も今までの意識とは異なる改革が求められます。
特に中小企業では、現業の流れの中で目の前の業務に追われがちですが、新たな方向性ややり方を企画し、現業の中に戻って流れを変えていく仕組みが必要 になります。

経営企画室は、このような「現場の視点から一歩飛び出して未来を考え、再び現場に戻って流れを変える」動きを支援します。

まとめ

経営企画室は、企業の未来を描き、新たな市場や戦略を考え、持続可能な成長を支援するための組織です。今こそ、中小企業でも経営企画の視点を持ち、時代の変化に適応することが求められています
特に、KPIの可視化が容易になったことで、データに基づいた精度の高い意思決定が可能になり、経営者の負担軽減にもつながります。
未来の市場を見据えた経営戦略を立て、持続可能な企業経営を実現するために、経営企画室の導入が重要な時代となっています。