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中小企業が「橋」を持つ時代ブリッジコンサルタントが切り拓く新たな可能性 | 株式会社ソレイユ財産管理

中小企業が「橋」を持つ時代
ブリッジコンサルタントが切り拓く新たな可能性

はじめに – ある地方の会計事務所で起きた変化

私たちは、地方都市で長年会計事務所を営んできました。税務申告、記帳代行、経営相談――これらが私たちの仕事のすべてでした。お客様も地元の中小企業が中心で、扱う課題も地域に根ざしたものばかり。それが当たり前で、それで十分だと思っていました。

しかし、ある日を境に、私たちの会社は大きく変わり始めました。

きっかけは、一人の外国人社員の採用でした。バングラデシュ出身のサードさん。彼が入社してから、私たちの視野は一気に広がり、これまで想像もしなかった「橋」が次々と架かり始めたのです。

この記事では、私たち自身の体験を通じて、なぜ今「ブリッジコンサルタント」という存在が中小企業にとって重要なのか、そして外国人材や橋渡し人材の活用が、どのように会社の可能性を広げるのかをお伝えします。

サードさんがもたらした「橋」の数々

橋1:ホームページ制作という新サービス

最初に架かった橋は、バングラデシュのウェブ制作チームとの連携でした。

多くの中小企業のお客様が「ホームページを作りたいが、地元の制作会社は高額で手が出ない」と悩んでいました。私たちも以前は「それは専門業者に頼んでください」と言うしかありませんでした。

しかし、サードさんのネットワークを通じて、バングラデシュの優秀なウェブデザイナーとつながることができました。品質を保ちながら、コストは従来の3分の1程度。しかも、サードさんが品質管理から納期管理まですべてを調整してくれます。

会計事務所がホームページ制作のサポートをする――以前なら考えられなかったサービスが、お客様から喜ばれています。

橋2:ソフト開発という未知の世界へ

会計事務所である私たちが、ソフトウェア開発などできるはずがない――誰もがそう思っていました。

しかし、サードさんは言いました。「インドネシアには優秀な開発チームがいます。彼らと協力すれば、御社のお客様向けに独自の会計・経営管理ソフトを作ることができます」

最初は半信半疑でした。言葉の壁、技術の壁、品質への不安。しかしサードさんは、インドネシアの開発会社との交渉から、要件定義の通訳、品質管理まですべてを橋渡ししてくれました。

結果として実現したこと
• 自社独自のERP(統合基幹業務システム)+AI機能の開発
• お客様の業務効率化を支援する高付加価値サービスの提供
• 従来の「記帳代行」から「経営のデジタル化支援」への進化

ソフト開発の経験がゼロだった私たちが、今ではお客様に最先端のデジタルツールを提供できるようになりました。これは、サードさんという「橋」がなければ決して実現しなかったことです。

橋3:外国人高度人材の採用支援

人手不足に悩む中小企業が増える中、私たちは新たなサービスを始めました――外国人高度人材の採用支援です。

サードさん自身が立命館アジア太平洋大学(APU)の卒業生であり、母校や他大学との強いネットワークを持っています。優秀な留学生と地元企業をマッチングし、ビザ申請から入社後のフォローまでサポートする体制を構築しました。

従来の会計事務所の枠を超え、「人材紹介」という新たな価値を提供できるようになりました。

橋4:インバウンド観光の支援

地方都市の観光業は、インバウンド需要の取り込みに苦戦していました。「外国人観光客を呼びたいが、何から始めればいいかわからない」というお客様が多くいました。

サードさんは、観光コンサルティングの経験を活かし、外国人目線での観光コンテンツ開発、SNSマーケティング、多言語対応の整備などを支援しました。

具体的な支援内容
• 外国人留学生を活用した観光地の魅力再発見プロジェクト
• TikTok、Instagramでの多言語での情報発信
• 外国人旅行者向けツアーの企画・販売
• 地元タクシー会社のインバウンド対応支援

地元の隠れた観光資源が、外国人の視点によって「世界に通用する魅力」として再発見されていきました。

橋5:大学との連携

サードさんの母校である立命館アジア太平洋大学をはじめ、複数の大学との連携が実現しました。

大学連携で生まれた新しい価値
• 外国人留学生インターンシップの受け入れ
• 学生の実践的プロジェクトへの協力
• 地域企業と大学の共同研究支援
• 卒業生の就職先としての地域企業の魅力向上

大学という知の拠点と地域企業をつなぐ橋が架かったことで、地方にいながら最先端の知識や若い才能にアクセスできるようになりました。

私たちが学んだこと:「橋」の価値

1. 視野の拡大:外国が一気に近くなった

サードさんを採用する前、私たちにとって「海外」は遠い存在でした。しかし今では、インドネシア、バングラデシュ、ベトナムなどの国々が、日常的なビジネスパートナーになっています。

外国人社員がもたらす視点の違い
• 「日本では当たり前」が海外では「非効率」と映ることも
• 文化の違いを理解することで、より柔軟な発想が生まれる
• グローバルな視点で地域の強みを再発見できる

2. 文化の違いから学ぶ

最初は戸惑いもありました。コミュニケーションスタイルの違い、時間感覚の違い、仕事の進め方の違い。しかし、これらの「違い」こそが、私たちの固定観念を打ち破る貴重な機会となりました。

具体的な学び
• 「以心伝心」に頼らず、明確に言語化する重要性
• 多様な視点を取り入れることで、より良い解決策が生まれる
• 「これまでのやり方」を疑う勇気

3. 垣根を越える勇気

会計事務所がソフト開発? ホームページ制作? 人材紹介? 観光コンサルティング?

以前なら「それは私たちの仕事ではない」と即座に断っていたでしょう。しかし、業界の垣根は確実に低くなっています。AI時代、「餅は餅屋」から「皆が餅屋」になる時代です。

垣根を越えてみてわかったこと
• 実際に渡ってみると、橋を渡るのは思ったほど困難ではない
• むしろ、最初の一歩を踏み出す「勇気」が一番のハードル
• 一度渡れば、次の橋はもっと渡りやすくなる

AI時代における「ブリッジコンサルタント」の重要性

なぜ今、ブリッジコンサルタントが必要なのか

AIやデジタル技術の発展により、仕事の境界線は急速に曖昧になっています。翻訳はAIが担い、情報は瞬時に世界中からアクセスできる。しかし、だからこそ「人間にしかできない橋渡し」の価値が高まっているのです。

AIではできない、人間の橋渡しの価値
• 文化的ニュアンスの理解と調整
• 信頼関係の構築
• 複雑な利害関係の調整
• 創造的な問題解決
• 長期的なパートナーシップの維持

ブリッジコンサルタントとは何か

サードさんの目標は「ブリッジコンサルタント」になることです。彼の姿を見ていて、私たちはブリッジコンサルタントの本質を理解しました。

ブリッジコンサルタントの役割
1. 異なる世界をつなぐ – 言語、文化、業界、地域の壁を越えて人やビジネスをつなぐ
2. 価値を創造する – 単なる仲介ではなく、新たな価値を生み出す
3. 信頼を構築する – 両者の間に立ち、長期的な信頼関係を育む
4. リスクを軽減する – 文化的誤解や失敗を未然に防ぐ
5. 成長を支援する – 一過性の取引ではなく、持続的な成長をサポートする

外国人に限らない「橋」の重要性

私たちの経験は外国人社員の採用から始まりましたが、「橋を架ける人材」の重要性は外国人に限りません。

様々な「橋」の形
• 業界間の橋:異業種の知見をつなぐ
• 世代間の橋:デジタルネイティブと従来世代をつなぐ
• 都市と地方の橋:大都市の情報と地方の魅力をつなぐ
• 大企業と中小企業の橋:リソースと機動力をつなぐ
• 学術と実務の橋:理論と実践をつなぐ
• AIと人間の橋:AI技術と人間の判断・創造性をつなぐ

重要なのは、「橋を架けられる能力」を持った人材を採用・育成することです。特にAI時代においては、AIを活用しながら人間にしかできない価値を生み出す「AIと人間をつなぐ橋」も重要になってきています。

地方の中小企業こそ「橋」が必要な理由

1. 限られた人材・リソース

地方の中小企業は、大都市の大企業に比べて人材やリソースが限られています。だからこそ、外部とつながる「橋」の価値が大きいのです。

橋によって得られるもの
• 自社にない専門知識へのアクセス
• コスト効率の良い外部リソースの活用
• グローバルな視点と地域の強みの融合
• 新しいビジネスチャンスの発見

2. 人口減少と市場縮小

地方の人口減少は避けられない現実です。国内市場だけに依存していては、ビジネスの持続可能性が危うくなります。

橋が開く新しい可能性
• 海外市場への展開
• インバウンド需要の取り込み
• オンラインを活用した地域を超えた顧客獲得
• グローバル人材の活用による組織の活性化

3. 情報とネットワークの不足

地方にいると、最新の情報やビジネスネットワークから取り残されがちです。しかし、適切な「橋」があれば、地理的な制約を超えられます。

私たちが実感した変化
• 地方にいながら、世界中のリソースにアクセスできる
• 大学や研究機関との連携で最先端の知識を取り入れられる
• オンラインツールで距離の壁がなくなる

「橋」を持つための実践的ステップ

ステップ1:現状認識 – 自社に足りない「橋」を見つける

まず、自社がどんな「橋」を必要としているかを明確にしましょう。

チェックリスト
• 海外のリソース(人材・技術・市場)を活用できているか
• 異業種の知見を取り入れられているか
• 大学や研究機関とのつながりがあるか
• デジタル技術を十分に活用できているか
• 若い世代の視点を取り入れられているか
• インバウンド需要に対応できているか

ステップ2:小さく始める – 最初の一歩を踏み出す

私たちも最初から大きなことをしたわけではありません。まずは小さなプロジェクトから始めました。

推奨される最初のステップ

1. 外国人留学生のインターンシップ受け入れ
o 短期間(2週間〜1ヶ月)から始める
o 自社の課題を外国人の視点で評価してもらう
o 費用も限定的でリスクが低い

2. 専門家への単発コンサルティング依頼
o 継続契約ではなく、まずは1回の相談から
o 自社の課題が明確になる
o 橋渡しの価値を実感できる

3. 小規模なオフショア開発の試行
o まずはウェブサイト制作など比較的シンプルなプロジェクトから
o 信頼できる仲介者を通じて始める
o 成功体験を積み重ねる

ステップ3:人材への投資 – 「橋」を育成する

外部の橋を活用しながら、社内にも橋を架けられる人材を育成していくことが重要です。

社内人材の育成方法
• 外国人社員との協働を通じた実践的学習
• 異業種交流会への積極的参加
• オンライン学習プラットフォームの活用
• 社外プロジェクトへの参加機会の提供

採用時のポイント
• 専門スキルだけでなく「つなぐ力」を重視
• 多様なバックグラウンドを持つ人材を歓迎
• 既存の枠にとらわれない発想力を評価

ステップ4:継続的な橋の拡大

一つの橋が成功したら、そこから次の橋へと広げていきます。

私たちの拡大パターン
外国人社員の採用

海外開発チームとの連携

お客様への新サービス提供

大学との連携

地域全体への貢献

橋を持つことで変わる経営者の視点

Before:限られた視野での経営

以前の私たちの考え方
• 「会計事務所は会計の仕事だけをすればいい」
• 「海外は関係ない。地元のお客様だけで十分」
• 「新しいことは大企業がやること」
• 「外国人の採用はリスクが大きい」

After:可能性が広がる経営

今の私たちの考え方
• 「お客様の課題解決のためなら、業種の垣根を越える」
• 「地方にいても、世界中とつながれる」
• 「中小企業だからこそ、機動力を活かして新しいことに挑戦できる」
• 「多様性こそが会社の強みになる」

この変化は、サードさんという「橋」がもたらしてくれたものです。

実際に橋を架けて感じた課題と解決策

もちろん、すべてが順調だったわけではありません。いくつかの課題にも直面しました。

課題1:コミュニケーションの壁

問題: 言語の違い、コミュニケーションスタイルの違いにより、誤解が生じることがありました。

解決策
• 重要な内容は必ず文書化
• オンライン翻訳ツールの積極活用
• 定期的な1on1ミーティングで相互理解を深める
• 「察する」文化から「明示する」文化への転換

課題2:品質管理の不安

問題: 海外のチームに仕事を依頼する際、品質を担保できるか不安でした。

解決策
• 最初は小規模なプロジェクトで試行
• サードさんが品質管理を徹底
• 明確な品質基準とチェックリストの作成
• 段階的な納品とフィードバックサイクルの確立

課題3:社内の抵抗感

問題: 従来のやり方に慣れた社員からの抵抗がありました。

解決策:
• 小さな成功事例を積み重ねて実績を示す
• 新しい取り組みのメリットを丁寧に説明
• 不安や疑問に対して真摯に向き合う
• 変化を強制せず、自然な理解を促す

まとめ:これからの中小企業に必要な「橋」

人脈ではなく「橋」を持つ

従来、「人脈が大事」とよく言われてきました。しかし、私たちが学んだのは、単なる「知り合い」ではなく、「橋を架けられる人材」を持つことの重要性です。

人脈と橋の違い
• 人脈:知っている人が多い
• 橋:異なる世界をつなぎ、新たな価値を創造できる

地方の中小企業にとって、この「橋」を持つことが、生き残りと成長の鍵となります。

AI時代だからこそ、人間の橋が重要

AIが多くの仕事を代替する時代において、逆説的ですが「人間にしかできない橋渡し」の価値が高まっています。

AIと人間の橋の違い
• AIは情報を瞬時に翻訳し、分析できる
• しかし、文化的ニュアンス、信頼関係の構築、創造的な問題解決は人間の領域
• ブリッジコンサルタントは、AIを活用しながら、人間にしかできない価値を提供する

さらに、「AIと人間をつなぐ橋」も重要になってきています。AI技術を理解し、それを適切に活用しながら、最終的な判断や創造的な仕事は人間が行う――このバランスを取れる人材こそが、これからの時代に求められています。

最初の一歩を踏み出す勇気

私たちの物語は、一人の外国人社員を採用するという「小さな勇気」から始まりました。その一歩が、予想もしなかった多くの橋を架けることにつながりました。

読者の皆様へのメッセージ
• 完璧な準備を待つ必要はありません
• 小さく始めて、徐々に広げていけばいいのです
• 失敗を恐れず、学びながら進むことが大切です
• 橋を架けることで、あなたの会社の可能性は何倍にも広がります

おわりに:あなたの会社に架かる「橋」

この記事を読んでいるあなたの会社には、どんな「橋」が必要でしょうか。

• 海外の技術やリソースとつながる橋?
• 若い世代の視点を取り入れる橋?
• 異業種の知見を活用する橋?
• グローバル人材を採用する橋?
• 新しい市場にアクセスする橋?
• AIと人間をつなぐ橋?

私たちの経験が、皆様の一歩を踏み出す勇気につながれば幸いです。

地方の中小企業だからこそ、「橋」を持つことで、大きな可能性が開けます。AI時代、垣根が低くなった今こそ、ブリッジコンサルタントや橋渡し人材の活用を真剣に検討してみませんか。

あなたの会社に、どんな橋を架けますか?

 

 

監修者

宮澤 博

税理士・行政書士
税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、 お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、 他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。

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