はじめに:外国人が働くための在留資格とは?
A社長:「外国人労働者を採用する際に、どのような在留資格があるのか詳しく知りたいです。」
私たち:「外国人が日本で合法的に働くためには、適切な在留資格を取得する必要があります。在留資格ごとに許可される職種や要件が異なるため、適切な資格で雇用することが非常に重要です。」
1. 主な就労可能な在留資格とその要件
技術・人文知識・国際業務
- 対象職種:エンジニア、プログラマー、通訳・翻訳、マーケティング、デザイン、経理・法務など。
- 要件:
大学卒業または専門学校卒業(関連分野の学位が必要)。
もしくは10年以上の実務経験(特定の業務に限る)。 - 特記事項:
単純労働は不可。
就労先の業務内容と資格の関連性が求められる。
特定技能(1号・2号)
- 対象職種:介護、外食業、宿泊業、建設業、製造業(14業種)など。
- 要件:
技能試験および日本語試験(N4以上)の合格が必要。
技能実習2号修了者は試験免除。 - 特記事項:
1号は在留期間5年(家族帯同不可)。
2号は更新可能で家族帯同も可能(現在は建設・造船業のみ)。
技能実習
- 対象職種:農業、漁業、建設、食品加工、製造業など(約80職種)。
- 要件:
技能習得が目的のため、事前の職業経験は不要。
監理団体(協同組合など)のサポートを受ける必要がある。 - 特記事項:
在留期間は最長5年(1年ごとの更新)。
転職不可、受け入れ企業の変更は原則禁止。
2. 日本語検定の要件
日本で働く外国人に求められる日本語能力は、在留資格によって異なります。特定技能や技能実習では、一定レベルの日本語能力試験(JLPT)が求められることが一般的です。
日本語能力試験(JLPT)
- N1:最も高いレベルで、専門的な職種(高度専門職、技術職など)で必要とされることが多い。
- N2:ビジネスレベルの日本語能力。技術・人文知識・国際業務などで求められる場合がある。
- N3:日常会話と簡単な業務指示が理解できるレベル。特定技能や技能実習で推奨される。
- N4:基本的な日本語が理解できるレベル。特定技能1号の最低基準。
- N5:ごく簡単な会話が可能なレベル。技能実習生に求められることがあるが、就労には不十分。
特定技能日本語試験
- 特定技能の在留資格を取得するために必要。
- JLPT N4相当の日本語能力が求められる。
- 各業種ごとに実施される場合があり、業務に特化した日本語能力が求められる。
JFT-Basic(日本語基礎テスト)
- 特定技能1号の取得者向けの試験。
- CEFR A2レベル相当の日本語能力が求められる。
- 介護、建設、外食業などで実施される。
企業は、採用予定の外国人労働者が必要な日本語レベルを満たしているかを事前に確認し、適切な支援を提供することが重要です。
3. 在留資格を取得するための手続き
在留資格認定証明書の申請
- 日本の企業が出入国在留管理庁に申請。
- 承認後、海外の日本大使館でビザ発給。
在留カードの発行
- 日本入国時に空港で発行。
- 住民登録を行い、社会保険・銀行口座の開設が可能に。
資格更新・変更手続き
- 在留期限の更新手続き(通常は3か月前から申請可能)。
- 仕事内容の変更時は、資格変更申請が必要。
まとめ:適切な在留資格での雇用が成功の鍵
A社長:「在留資格によって働ける職種や条件がこんなに違うんですね。」
私たち:「はい。適切な資格での雇用は、企業と外国人労働者の双方にとって安心につながります。最新の制度変更も含めて、適切な手続きを行うことが重要です。」
私たち:「在留資格の取得を依頼できる専門家は行政書士になります。専門家に依頼することで手続きはスムーズに行えます。」
A社長:「今後の法律改正もチェックしながら、適切な雇用手続きを進めます!」